文部科学省が教員免許に10年の期限を設ける教員免許更新制を廃止する検討をしていることが関係者の取材で分かりました。
教員免許更新制とは?
教職員となるための免許状を一定の期間ごとに更新しなければならないとする制度のことで、日本では10年の有効期限が設けられています。
教員免許更新制の主な目的は一定期間ごとに教員が技術や知識を獲得する機会が得られ、教員の質を維持できるということだそうです。
国によって内容は違い、更新なしの終身有効の国も多くあるようです。
日本では2000年頃からの学力低下論争や教員の質の問題などが取り上げられ、教員免許更新制を導入すべきだという意見が教育再生会議で出されました。
その後、2007年6月の教育職員免許法の改定によって、2009年4月から導入されました。
教員免許更新制の廃止検討にネット上では、「大賛成!」「賛成だけどなぜこの制度ができたか忘れられているのでは?」「廃止するのはいいけどその後の対応もきちっとして欲しい!」などさまざまでした。
また「教員免許持っていたけどこの制度で失効した!」「来年更新しないといけないから早く廃止にして欲しい!」「勉強にはなるけど本当に負担!」「以前に失効した教員免許はどうなるの?」など教員免許所持者や過去に持っていたという方たちからの投稿も多く見受けられました。
教員免許更新には何が必要?
幼稚園や小中学校、高校などの教員免許に10年の期限がもうけられる教員免許更新制ですが、教員免許更新の際には、どのようなことが必要なのでしょうか?
3万円の講習費用を自己負担し、大学の教育学部などで計30時間以上の講習を受けなければならないようです。
また、修了確認期間までに更新講習を受けなかった場合はその効力を失うそう。
これが理由で先程のコメントにもあったように、教員免許を以前に取得したにも関わらず失効したといった人が多かったんですね!
確かに、過去に教員免許を取得した場合でも教員などの職業についていない場合は、その必要性を感じず、3万円の講習費用が発生する点などからも講習をわざわざ受ける必要がないですもんね。
また現職の教員が免許更新講習を受ける場合、個人の事由とみなされ平日の勤務時間中に受講をすることが認められないそうです。
そのため、土日や祝日、平日の夜や夏休みなどをうまく利用して受講しなければならないようです。
教員の方からするとこういった更新制度は金銭面でも時間的にも大きな負担になること間違いありませんね。
教員免許更新制廃止の背景
上記であったように更新講習の際に現職教員の負担が大きい事、また現職教員が更新講習を受けるのを忘れて教壇に立てないといううっかり失効なんかも各地で相次いでいるようです。
その他にも、免許保有者が更新をせずに失効するケースが多いため、代替教員の確保が難しいという問題もあるようです。
技術や知識を獲得する機会をつくり、教員の質を維持する点はとても重要なことだと思いますが、その背景にはこういったたくさんの問題があったんですね!
このようなことを理由に廃止されることはいいと思いますが、この免許更新制に代わる具体的な対応策が今後出てくるといいですね。