中国で「モンキーBウイルス」の死者が報告されました。
「モンキーBウイルス」
先週、中国で「モンキーBウイルス」による死亡例が報告されました。
中国の疾病予防管理センターによると、死亡したのは北京の霊長類研究機関に勤務していた53歳の獣医師で、取り扱っていた動物の猿から感染したと言われている。
死亡した男性は今年3月に2匹の猿の遺体を解剖しており、その後嘔吐やむかつき、熱などの症状を訴え翌月の4月にBウイルスに感染していることが検査で判明。
病院で治療をしていたそうですが、5月に亡くなられたということです。
「モンキーBウイルス」がどのような感染症かご存知でしょうか?
名前からなんとなく予想はつくものの、私はこのような感染症が存在するということを知りませんでした。
ネット上ではこちらのニュースに対し、「そんな病気本当にあるんだ!」「モンキーBウイルスってなに?」「ワンピースの新キャラと思った!」など知名度は低いように見受けられました。
一方で、「昔からあるウイルス!」「猿を実験動物として扱うなら絶対に知ってるべき感染症!」「獣医師はこれまでに何人も感染して亡くなってる。」などすでにこの感染症をご存知の方も多数おられました。
日本や世界での事例は?
日本では2019年に鹿児島県にある動物実験施設にて国内で初確認されました。
その後の確認はされておらず、現在日本ではこの一例のみだそうです。
一方世界では、今までに累計50例ほど確認されており、その内の約半数の方が亡くなられています。
初確認は1932年のアメリカ。研究中に猿に指を噛まれた医師が感染しその後死亡したのが第1例のようです。
今後流行する?
ウイルスと聞くと「新型コロナウイルス」を真っ先に思い浮かべます。
新型コロナウイルスの世界的流行をきっかけに私達がもつ感染症のイメージは恐ろしものへと大きく変わりました。
1932年に初確認がされた「モンキーBウイルス」ですが、90年という長い月日の中で約50例のみということで、比較的発症例が少ないといった印象を持ちますが、今後流行することはあるのでしょうか?
「モンキーBウイルス」は感染してしまうと現代でも死に至るウイルスです。またワクチンといったものも存在しません。
一方で猿に噛まれたり唾液を飛ばされたりなど、猿と直接関わらない限り感染することはなく、感染をする状況自体がすごく稀です。
また空気感染はせず、過去に人から人への感染が報告された例が一度あるそうですが、凄く稀なケースだったそう。
そういった理由から、感染リスクはゼロではないですが拡大の恐れも少ないといえるそう。
この感染症に対する拡大のリスクは少ないようですが、野生の動物にむやみに触らないなどの感染症対策は必要だと思います。